MUVEIL MAGAZINEvol.28INTERVIEW with FEILER シュニール織で知られるドイツのブランド「フェイラー(FEILER)」とのコラボレーションアイテム。 タペストリーのような緻密な彩りと思わず触れたくなる高級感のある素材。フェイラーを特別なブランドとして世代を越えて大切にされる方も多いかと思います。デザイナー・中山もその1人です。 物語が浮かんできそうなパターンや色合いの深さは勿論のこと、改良を重ねながら綿という一つの素材に取り組む実直さに心惹かれていたとのこと。 手に取ると幸せを感じることができるフェイラーに合わせて、MUVEILに多く登場するハッピーモチーフのスズラン・四葉のクローバー・テントウムシ・ハチを取り入れました。太陽の下でエネルギーチャージしているような気分になるヴィヴィッドな色合わせもポイントです。 今回のMAGAZINEは発売を記念にして、フェイラージャパン株式会社にインタビューさせていただきました。 フェイラーといえば、製品の特徴として伝統工芸であるシュニール織が挙げられますが、どういった技法なのか教えていただけますか? シュニール(Chenille)とは、フランス語で「(蚕などの)いも虫」の意味で、プクプクとした質感がシュニール織に使われるモールヤーン(モール糸)に似ていることから、そう呼ばれるようになったといわれています。フェイラーのシュニール織に使用する糸は、上質の綿100%。綿の品質は気候に左右されるため、あえて原産地を限定せず、繊維製品の国際安全基準を満たしたエコテックス®認定企業から、その年最も質の高い綿だけを厳選して買い付けています。フェイラーでは、染色された糸を約130色保有しています。さらに、1つの柄につき最大18色まで使用できるので、繊細なデザインや微妙なグラデーションなど、色鮮やかで豊かな表現が可能となるのです。 こうした綿糸を多彩に用い、改良を重ねた織機を熟達した職人が操り、一度織った布をモールヤーンにしてさらに織るなど、複雑な工程を経て織り上げられる、フェイラーのシュニール織。表裏一体の緻密な色柄、柔らかな質感、吸水・乾燥性、耐久性は、こうした品質の追及と 卓越した技術による賜物なのです。そして、織物の仕上げで大切なのは、色や風合いを出す水洗いの工程。ですからフェイラーがこだわる発色の美しさは、ホーエンベルクの豊かな水の恵みがもたらしたといっても過言ではないでしょう。 フェイラーのシュニール織は、素材への徹底したこだわりと、歴史と伝統に培われた独自の技術に支えられています。 ずっと触れていたくなる柔らかな質感を生み出す秘訣はなんでしょうか? シュニール織そのものの特性でもありますが、なかでもフェイラーのシュニール織は、上質な綿、フェイラー社独自の技法(織機の改良)、ドイツ・ホーエンベルクの水が柔らかな質感の要素になっています。 Q4 世代を越えて受け継がれるプロダクトを制作され続けられておりますが、その普遍性はどこから生まれるのでしょうか? 暮らしに使うから美しい商品であることから、生まれた時から身の周りにある製品として家族の歴史に寄り添い、自然と祖母から母へ娘へと受け継がれる点です。そして、丈夫で長持ちする品質から、世代を越えて使い続けられる点です。 今後フェイラーが目指すヴィジョンを教えてください。 フェイラーは、愛用する方が美しい色柄と柔らかな質感に幸せを感じ、それを贈ることで幸せが広がると言われている共感のブランドです。2018年に創業70周年を迎え、「幸せ、つむぐ。もっと ずっと。」のコンセプトとともに、ブランドの世界観をお客様と共創し、そうすることで、長く愛されるブランドとして、まずは創業100周年、さらにその先の未来に続いていくことを目指しております。 ご協力ありがとうございました。 一般的な生地は一度織られた布にプリントを施すのですが、シュニール織は、柔らかな質感と吸水性、丈夫さを出すために、まず一度織り上げた布を糸の状態にほどき、高速スピンをかけて横糸となるモール糸を作った後、もう一度織り上げる再織という技法だとうかがい、気の遠くなるほどの工程に驚きました。長い間変わりにくい風合を楽しめる素晴らしさを、FEILER(フェイラー)のブランドムービーで詳しくご紹介されておりますので是非ご覧ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。 2021.4