MUVEIL MAGAZINE vol.45 MUVEIL & MOVIE 映画の断片を自身の記憶に結びつけて フランスを舞台に豪華俳優陣を擁しコミカルかつドラマチックに展開される映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』からインスパイアされたカプセルコレクション“MADE IN MOVIE WORLD“が誕生しました。 劇中に登場するシーンや言葉からからインスパイアされた4アイテムを展開します。 MUVEIL MAGAZINE vol.44ではMUVEIL & MOVIEと題し、デザイナー・中山にMUVEILと映画の関係を伺いました。 MUVEILのコレクションでは映画が着想源となることが多いですが、よく映画鑑賞されますか。 できれば劇場で見たい派なので頻繁にということは難しいのですが、気になった映画はチェックしております。レトロな映画が好きなので、制作年もしくは舞台が昔のものを鑑賞する傾向にあります。違う時代に遡る感覚が好きなのかもしれません。 映画を題材にしたコレクションを遡ってみると、確かにどれも風情を感じる作品が多いです。他にも何か共通項はありますか? 子ども心を覚醒してくれる映画は、MUVEILにとってかけがえのない存在です。『GREMLINS』や『E.T.』はコレクション制作中何度も鑑賞しましたが、毎回心打たれました。大人になってみるとまた違った視点を楽しめながらも当時の記憶を呼び覚ましてくれる。もう一つ『花様年華』のウォン・カーウァイ監督や『ムーンライズ・キングダム』のウェス・アンダーソン監督など徹底的に作り込まれた舞台演出を特徴とする作品もコレクション着想源になっているように思えます。どこか哀愁も漂いながら時代をタイムスリップするような感覚を味わえる作品です。 『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』もウェス・アンダーソン監督の作品ですね。 『ロイヤル・テネンバウムズ』を見たときに彼を知りましたが、その衝撃を今でも覚えています。ウェス・アンダーソン監督はシーンごとの色を制約して舞台を制作すると伺ったことがありますが、文字通り作品ごとに「色」がついていることにとても惹かれて。きっちりと作り込まれた世界観は、日常を描いているのに非日常的な空気がずっと漂っています。身近ではない話のように感じて他人事として鑑賞していると、次第にのめり込んで自分の中の記憶と結びつく。作品が自身の一部となっていく過程が素晴らしくて、偉大さを感じます。 ウェス・アンダーソン監督の作品をインスピレーションにしたコレクションで1番印象に残っているものはございますか。 『ムーンライズ・キングダム』を題材として、ボーイスカウトをイメージしたジャケットは一枚一枚こだわりを詰めました。アライグマのワッペンは今でもお気に入りです。GALLERY MUVEILに芝生を敷き、映画の世界を作り込んだ空間は鮮明に覚えています。 『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は如何でしたか。 今回も、舞台ごとに変わるカラーパレットが美しかったです。フランスそして出版業界へのウェス・アンダーソン監督の愛を強く感じられました。まさしく大人のためのおとぎ話のような映画です。学生時代の「ろうかを走らない」の掲示を思い出しクスッとした「NO CRYING」はどうしても起用したくて。ジャーナリストのメモの走り書きや、ボーダー、クルーネック、そしてポッとちいさくお花ビーズで『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』の世界観を表現しました。 MUVEIL MAGAZINE vol.45はここまで。 エフォートレスでなアイテムながら、人の手を感じるひと手間を味わえるコレクションになっていますので、是非チェックしてみてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。