familiar


MUVEIL MAGAZINE
vol.13
INTERVIEW with familiar

MUVEILが目指す細部までこだわるデザイン・品質・素材・縫製とともに、手作業の温もりを込めたお洋服。その想いを体現するfamiliarと新たにコラボレーションいたしました。


子どものころお気に入りのお出かけ服がファミリアのお洋服だった方も多くいらっしゃるかと思います。MUVEILデザイナーの中山もその一人。ピアノの発表会や入学式など特別な行事に「シンデレラになれるお洋服」として、ずっと憧れていたそうです。大人になってからコラボレーションした際、刺繍の完璧なクオリティーとともに絵本を読んでいるかのようなその創造性に強く心を打たれたとのことです。


今回のMAGAZINEは創業70周年を迎えるfamiliarにご協力いただき、インタビューさせていただきました。創業するきっかけとなった出来事や長年愛される「デニムバッグ」について伺います。



写真提供:familiar

ブランドが誕生して70年。familiarの尽きることないエネルギーに驚かされます。4人の女性の手によってブランドが誕生したと伺っておりますが、そのきっかけを教えてください。



きっかけは、ハイヒールと手作りの写真入れです。空襲で家を焼かれた創業者のひとりの坂野惇子は、生活費の足しにできればと嫁入り道具として特別に作ったハイヒールを『モトヤ靴店』に持ち込みました。「お宅で作っていただいたハイヒールをどなたかに売ってくださらないかしら?」と惇子は主人の元田氏に話しましたが、元田氏は惇子の申出を断ります。彼女の為に丹精込めて作った靴を手放してほしくなかったのです。困ってしまった惇子でしたが、惇子の手製の写真入れを見た元田氏は続けます。「たいしたものですね。そうだ、こんな手仕事の物を作ってお売りになったらいかがですか。うちの陳列ケースを提供しますよ」。この元田氏の提案がきっかけとなり、ファミリアは、ショーケース2つの小さなお店からスタートしました。






世代を跨いで受け継がれていくfamiliarのお洋服ですが、時代を超えても愛されるその普遍性は何から生み出されるのでしょうか?



今でも社員に受け継がれている「自分の子どもに着せるつもりでお洋服をつくりましょう」という、「愛情品質」の考えからだと思います。ファミリアでは、長く愛されるものというのは、理屈ではなく五感全てで「あぁ、心地いいなあ」と感じられるお洋服なのではないかと考えています。お気に入りのお洋服を持ち、長く着続けていくと、お洋服との思い出がたくさんできます。そうやって、記憶の中に刻み込まれたお洋服は、結果的に、ずっと愛されるお洋服になっていくと考えています。創業当時から変わらず、「子どもにとって本当に良いもの」にこだわった「愛情品質」の考えを大切にし、「お母さんの愛情が宿ったお洋服」をこれからも作り続けていきたいです。






今回コラボレーションさせていただいたお稽古バッグはfamiliarの定番商品としてずっと展開されております。プロダクトに込めているこだわりをひとつ伺えますでしょうか。



デニムバッグは登場して60年以上になりますが、毎年2回登場する新作や今回のようなコラボ企画を皆様楽しみにお待ちいただいています。社内のスタッフも「今年はどんなデザインかな?」ととても楽しみにしているプロダクトの一つです。バッグ本体の色やデザイン、モチーフの楽しさなど特長はたくさんありますが、オリジナルで開発した平織りの本体生地は自信のある素材です。デニムと聞くと、丈夫だけど少しゴワゴワしているイメージがありますが、デニムバッグに使用している生地は肌触りが優しく、そして丈夫な作りになっています。「ずっと長く大切に使ってほしい」というお母さん目線の愛情をたくさん注ぎ込んでお作りしています。




子ども時代を思い出すようなお洋服をつくることをMUVEILのコンセプトの一つとして掲げております。familiarはずっと子どもたちの心を躍らせる商品をつくりつづけられておりますが、どんな視点を大事にされているのでしょうか?




ファミリアの企業理念が、「子どもの可能性をクリエイトする」なのですが、商品やイベントを企画する時に、「この企画は子ども達の可能性をクリエイトしているのか?可能性を広げているのか?」という視点を大事に企画しています。ショップやWEB上で子ども達への遊び(ワークショップ)も提案していますが、その中からヒントをもらうこともたくさんあります。モチーフの表情や商品に使っている色のこだわりもお子様やご家族に伝わればいいなと思い企画しています。




今後familiarが目指すヴィジョンを教えていただけますでしょうか?




ファミリアのヴィジョンは、「世界でもっとも愛されるベビー子ども関連企業になる」です。 私たちは、すべての子どもが持っている可能性という未来を、一緒にクリエイトしていきたいと考えています。そのために、日本だけでなく世界の子どもたちに、子どもの可能性に触れる本物を発信していきます。その本物には、洋服はもちろん、モノだけでなく子どもたちが体験したり学んだりできるコンテンツも含まれています。時代の先を読むチャレンジを続け、様々な分野から子どもに関わる環境にアプローチしていきます。


ご協力ありがとうございました。
子どもから大人まで多くの人に愛されるfamiliar。筆者もお気に入りだった赤いチェックのワンピースが、大人になってから「ファミリアチェック」だと知りました。母がしまってくれたそのワンピースは今も色あせることなく、私の娘が纏うのを待ってくれています。心躍る気持ちと安心する着心地を世代を超えて提供するfamiliarのように、MUVEILも受け継がれるお洋服になる様これからも努めてまいります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

2020.9