2023 CRUISE COLLECTION MAKING OF



MUVEIL MAGAZINE
vol.66
2023 CRUISE COLLECTION
INTERVIEW AND MAKING OF
細部に宿る表情を探求すること

牧歌的な表情と温もりを宿す
2023 CRUISE COLLECTION。
MAGAZINE vol.66では、
前回のマガジン でデザイナー・中山が
語ったこだわりに
フォーカスしていきます。






MULTI PRINT SERIES


マルチプリントスカート / マルチプリントワンピース / マルチプリントブラウス

キルトを再現したマルチプリントシリーズ。20種類以上のプリントをコラージュしています。柄の組み合わせも8パターンあり、表情豊かに仕上げました。キルトの素朴な表情を洗練させるため、カラー選びにこだわったオリジナルプリント。制作してくださった吉忠フロンティア株式会社にお話を伺います。



得意とする技法など、御社のご紹介をお願い致します。


別注プリント生地の企画をメインに柄と素材の提案を行い、加工販売しております。プリント手法としては、主流であるオートスクリーンをはじめ、ハンドスクリーンやインクジェット、ロータリー、シュリンク加工や箔加工などの特殊加工も取り扱っており、数多くの手法を活かしてプリント生地を作り上げております。



オリジナルプリントは、どのような過程で制作されるのでしょうか。


お客様からイメージの柄のリクエストを頂き、そのイメージの柄図案とプリントをのせる下生地を提案して進めていきます。MUVEIL様の場合は、シーズン毎にテーマを頂きその資料を集めることがファーストステップです。人物の場合は、そこから広がる人物像やその人にまつわるもの、当時の時代背景を考慮してスクラップしていきます。


貴重なヴィンテージ資料の数々

弊社には沢山の図案資料があり、これまでに海外のアンティークマーケットで買い付けて収集したヴィンテージや、古いものですと120~150年程前のプリント生地のスクラップブック等の資料もあります。企画段階でのインスピレーション素材としてご覧頂くことも多いです。
提案の後はピックアップして頂いた資料を基に図案を作成し、生地にプリント加工した時の色と柄の見え方をベストで再現できるように加工場と打ち合わせをして、プリント生地を完成させます。




実際にプリントで使用した資料



パッチワーク風オリジナルプリントの制作において難しかった点はございますか。


かなり繊細な柄のスクリーン型での捺染加工でしたので、どうすれば柄のモチーフが綺麗に見えるのか、また色数の多いパッチワークの雰囲気をプリントで上手く再現できるのかを、図案作成の段階から図案家さんをはじめ制作に関わる型屋さんや染工場の方々と何度もミーティングを重ねました。その甲斐あって、今回上がってきた生地は非常に綺麗にプリントが施され仕上がりましたので、ホッとした気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいでした。


プリントの表情を決めるため試行錯誤を重ねたカラーパターン



MUVEILのオリジナルプリント制作で長くお世話になりますが、こだわっていただいている点を教えてください。


アイキャッチ-な綺麗な配色と、柄に込められたこだわりのメッセージが一つ一つの商品から聞こえてくるような商品づくりをされているのが特徴だと感じています。シーズン毎に頂くテーマが非常に魅力的で、モノづくりに携わらせて頂いておりますこちらもワクワクする楽しい気持ちで取り組ませて頂いております。
生地が上がった後、その生地で作成された製品を沢山のアイテムが揃うコレクションで見せて頂くときに、最初に頂いたテーマから完成されたMUVEILの世界観を見られるのがとても楽しみです。
そして、次はどんなテーマだろう?と考えながら次のシーズンを迎えます。

制作においてはデザイナーの方がイメージされている実際の生地にのせた出来上がりのイメージを捉え、型屋さんや染工場さんと入念に話をしながら進めております。MUVEIL様のプリント生地では特に発色の良さにこだわって作成にあたっています。難しい加工で大変な時もありますが、一緒に良い企画を作り上げたい!という気持ちが何よりも強いので、これからも寄り添ってお仕事ができたら嬉しく思います。



ご協力ありがとうございました。オリジナルプリントにはブランドの頭文字「M」やブランド名「MUVEIL」がよく隠されております。是非見つけてみてください。

ANIMAL APPLIQUE SERIES
コレクションのマスコットとなる動物アップリケ。2023 CRUISEではとにかく愛おしさが溢れるメルヘンな表情で登場します。プルオーバーもカーティガンもコットンとポリエステル素材を使用しているので、春も着用いただけます。厚手のコートやダウンにちょうどいいコンパクトさで真冬も重宝できるのが嬉しいポイントです。 アップリケを考案するMUVEIL企画チームにインタビューしました。


ウマニットカーディガン / ニワトリニットプルオーバー / ニワトリ刺繍プルオーバー / ニワトリ刺繍バッグ



動物アップリケはどのように制作しているのでしょうか。


コレクションのテーマが決定したら、まずはイラストで描いて動物のフォルムや表情を決めていきます。数パターンを描いて中山さんと相談したあとはイラストに基づいて実際に制作しますが、実際に私たち企画チームで制作することがほとんどです。 刺繍やアップリケは細かなニュアンスでガラリと雰囲気が変わりますので、工場さんにしっかりと伝えられるように見本を作っています。



動物の表情は毎度変わるのですが、どのように決めていくのでしょうか。


必ずどこかにチャームポイントを置くようにしています。足やお鼻の場合もありますし、毛並みだったりと様々です。
今回は実際にターシャ・テューダーさんが飼っていた動物たちを制作しました。資料から選んだ動物たちのチャームポイントや背景を観察し、どのような性格の子たちなのかも考えています。
ターシャ・テューダーさんの動物はみんな伸び伸びとしながらのほほんと育っている表情を引き出せるように試行錯誤しました。



実際に採用されたイラスト。



実際に制作していくときに、難しい箇所はどこでしょう。


一番こだわっているのは目の部分です。実際にパーツを付ける生地や見せたい表情によって変えていきます。実はMUVEILオリジナルのパーツもあるんです。例えばヒツジアップリケで使用している水色の目は、このサイズほど小さい目がないので制作しています。また、薄めの生地だと目がしっかりと固定できずグラグラ動くことがあるので、ボタンの足が短いものも制作しました。今回はヒツジアップリケとウマアップリケで使っています。


ヤギニットカーディガン / ウマニットプルオーバー / ヒツジニットカーディガン



動物シリーズに込めている想いを教えてください。


今まで出てきた動物だったとしてもコレクションごとに違った表情が生まれるように制作していますが、やはり見たときに愛おしさで心が満ちてもらえることを念頭においています。動物の表情は1ミリ単位の違いで異なりますので、見本制作後も工場さんの試作品を細かくチェックし、ご協力いただきながら長い時間をかけて制作するシリーズです。 出会ったときに、可愛い!と幸せな気分を少し味わってもらえるようにこれからも考案していきます。



コレクションのテーマが強いブランドだからこそ、その世界感を汲み取れることを大切に。
ご自宅に商品が届いてからも小さな感動を生むことを願って、これからも探求していきます。


MUVEIL MAGAZINE vol.66はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。

2022.12