2023 AUTUMN WINTER COLLECTION
INTERVIEW ABOUT VELOURS SALOPETTE
マリリンが愛用したベロア地を使用したサロペット。
膨らみ感とやわらかさを持ち合わせたクラシックなベロアを採用し、
胸元のカッティングで女性らしいラインを作りながらも、ゆとりあるテーパード型のパンツで
リラックスしてご着用いただけます。
パターンを制作したMUVEILアトリエのパタンナーにお話を伺います。
パタンナーの仕事に関して教えてください。パタンナーというと衣服の設計をする人というイメージですが、どのようなお仕事でしょうか。
デザイン画とディテールが決まり、素材をセレクトしてからそれを立体に落とし込む作業を担います。シーチング(生成りの木綿の生地)や似寄りの生地でトワル(お洋服の形)をつくり、実際に着用し修正しながらサンプル用のパターンを作成するのが最初の過程です。次に実際の生地でサンプルを作り再度着用の修正を行い、今度は生地の特性に合わせて型紙を修正します。デザイナーの意向、工場さんでの工程、お客さまの着用感、と多様な視点をもってミュベールの世界感がまとまるようにシルエットを考えていくんです。納品までに検品と修正を繰り返し工場さんと打ち合わせを経て、商品として送り出します。
MUVEILのパターンに込めているこだわりはなんでしょうか。
ミュベールの世界感やディテールに寄り添いながら、大人の女性が着やすいシルエットを目指しています。素材がもつ特徴と相反する要素を加えるようこともそのひとつです。例えばリュクスな素材であれば少しラフなパターンを設計することで、様々なシーンで着用いただけるようにしたり。やはりたくさん着用いただけた方が嬉しいですから。カジュアルな素材はあえてキレイ目なシルエットにすることで、品性を大切にします。
実際に着用しながら何度も修正するボトムスは、こだわりを詰めているので是非チャレンジして欲しいです。ご愛用くださっているお客さまとの信頼関係を大切にシーズンが変わってもサイズ感が変わらないように気を付けたり、幅広い年齢層の方の身体になじむ工夫をしています。
やはり胸元のカッティングでしょうか。柔らかくて質量が少しあるベロア地なのでラインを美しく引き出すのが難しかったです。固いパッドを入れてしまうと生地の魅力も着心地も変わってしまうため、試行錯誤の末固めの裏地とウレタンシートのパッドを中に入れて自然な膨らみを実現することができました。胸元を強調しすぎない品のあるデザインになったかと思います。
試着してみると快適な着心地だったのですがこだわった点は他にもございますか。
エレガントなラインでありながら着心地は良く仕上げるため、裏地にはこだわりました。上半身前部分は先ほど伝えたように少し固めの裏地でハリ感を出しながら、後ろはカットソーの裏地にして伸縮性をもたせております。細いストラップで柔らかい生地のため後ろがよれてしまう可能性があったので、後ろ身頃に薄いゴムをだかせて外からは目立たずとも背中に沿ってくれる仕様です。
下半身の裏地はストレッチ性のあるソフトな生地になっています。ゆったりとしたテーパードなラインで前だけタックをとっていますので落ち感がいいです。
スタイリングによってオケージョンからデイリーまで楽しんでいただける形に仕上がったのではないでしょうか。