MUVEIL MAGAZINE
vol.94
INTERVIEW WITH INIGO STUDIO
もう一度自分にチャンスを与えること
MUVEIL MAGAZINEでは、コレクションが秘める物語やブランドにまつわる人々をインタビューしてまいりました。
今回は、このMUVEIL MAGAZINEを彩る挿絵を描いてくださっているイラストレーターをご紹介いたします。
スペイン人のイニゴ・グチエレスさんは元々PRとして本国で活躍していましたが、日本への移住をきっかけにイラストレーターとして本格的に活動をスタート。
国内外の雑誌や新聞へのイラストから有名ブランドとの共同プロジェクトも多数手掛け、注目される存在です。
そんなイニゴさんが手掛けるパーソナルプロジェクト・INIGO STUDIOとして、伊勢丹新宿店にてポップアップイベントが開催されます。
INIGO STUDIO POP-UP EVENT
2024年5月1日(水)~5月7日(火)
伊勢丹新宿店 本館2階
TOKYOクローゼット/リ・スタイル TOKYO
4年間MUVEIL MAGAZINEのイラストを描いてくださっているイニゴさん。ポップアップイベントの開催を記念して、お話を伺います。
MAGAZINEvol.9
日本に来たきっかけはなんでしょうか?
スペインでは、日本のアニメや映画もよく放送されていて、武内直子さんや小津安二郎監督の作品を見たのがきっかけだったかもしれません。小さいときから日本文化に魅了されて、映画や漫画だけでなく、ファッション、デザイン、食文化とどんどん好きなものが増えていきました。大学卒業後はマドリッドでPRとして働いていましたが、もっとクリエイティブで好きなことができる道に進むべきと思っていたところで、日本へのワーキングホリデーの募集がはじまって。大好きな文化が生まれる場所に飛び込もうと決意しました。
MAGAZINEvol.30
スペインではPRとして働かれていましたが、イラストもやっていたんですか?
イラストは小さいときから描いていて、美大の受験を視野に入れていたので高校でも美術系の学校で学んでいました。マドリッドにある美術大学の試験を受けたのですが、一教科不合格となってしまって。それはもうすごくショックでイラストを描くのをやめて、大学も広告関係の学部へ入学し、PRの道に進むことにしたんです。仕事は楽しかったのですが、やはりイラストを描く夢は捨てきれなくて、ワーキングホリデーをきっかけにもう一度チャレンジしようと思い立ちました。
MAGAZINEvol.18
イラストを描く際のインスピレーション源はどこから見つけられるのですか?
クラシックなものが好きなので、神保町や吉祥寺の古本屋さんや骨董品店をよく散策します。特に古本やポスターを買って参考にすることが多いです。タバコやお酒の昔のポスターやファッション雑誌はどれもクオリティーが高くてついつい集めてしまいます。あとは、フランス・ヌーベルヴァーグの映画だったり。インスピレーション源は、現代のものより過去のものに見つけています。
MAGAZINEvol.74
イニゴさんにとってMUVEILの印象はどういったものでしょう?
MUVEILを見たとき僕の考え方とすごくリンクしていると思いました。ヴィンテージの世界やクラシックなものを愛でる嗜好。過去に想いを馳せるロマンチストな一面を中山さんももっているのだと思っています。
そして、小さなポイントまでこだわる精神や、しっかりと世界観を形成する細やかさ、遊び心を添える軽やかさなど気付きを得ることが多いです。
MUVEIL MAGAZINEはちょうどイラストレーターとして活動をはじめたときで、コンスタントにイラストを描くきっかけとなりました。MUVEILは、僕にとっては学校のような存在であり、イラストレーターとしての自信を与えてくれた場所でもあります。僕のイラストにはMUVEILの影響が大いにあるんじゃないかな。
MAGAZINEvol.25
MUVEIL MAGAZINEも94号になりました。特に印象が残っている特集などありますか?
大好きな映画のイラストを描いたvol.48 Marine Look inspiration in the moviesはお気に入りのひとつです。
MAGAZINEvol.48
vol.75 2023 PREFALL COLLECTION STORYで描いたジョージア・オキーフやCOLLECTIONごとのノベルティーとして描いているポストカードで描いた彫刻家のカミーユ・クローデルなど同じアーティストとして描くことができてとても光栄でした。
MAGAZINEvol.75 / MAGAZINEvol.77
vol.83 2023 CRUISE COLLECTION STORYでヒアシンスハウスの存在や詩人・立原道造など新たな発見もたくさんあって毎回次のテーマが楽しみです。
MAGAZINEvol.83 / MAGAZINEvol.86
普段のイラストは自分自身からアイデアを捻りだしていかなくてはいけないんですけど、MUVEILでのイラストは中山さんの世界観から描いていくので、役を演じる俳優のような気持ちになって取り組んでいます。
MAGAZINEvol.12
今回のポップアップはどんなイベントになるのでしょうか?
プロダクトデザイン、アートグッズなどの製作を手掛けるパーソナルプロジェクトINIGO.STUDIOから今回のイベントのために新しいコレクションをつくりました。毎回コレクションのテーマをつくっているんですが、今回は女性も楽しめるコレクションというのを面白く伝えたいと思って、ボーイズ・スタイルを取り入れる「BOYFRIEND CLUB」にしました。
ティーン・エイジャーのときに憧れの男の子の使っているものが気になったり、勝手にお揃いにしてみたり、、ドラマなどでもそういうシーンって登場するけど日本でもあるかな?(笑)
70年代~80年代のテイストを取り入れながらユニセックスで楽しめるお洋服やファッション小物、インテリア雑貨を用意しています。ポスターやイラストの原画も飾る予定です。
最後に、メッセージをどうぞ。
いつもイラストをみてくださってありがとうございます!はじめての試みで緊張しているけど、僕のコレクションをみて懐かしい気持ちになったり、笑ったり。是非楽しんでいただければ嬉しいです。
MAGAZINEvol.60
ご協力いただきありがとうございました。
イベントではイニゴさんご本人がインスタレーションやイラストを描きながら、直接店頭に立っています。お時間がございましたら是非足を運んでみてください。イニゴさんのInstagramアカウント(@inigo_studio)よりイベントの詳細をチェックいただけます。
MUVEIL MAGAZINE vol.94はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Íñigo Gutiérrez/(イニゴ・グチエレス)
Inigo_studio
Instagram: @inigo_studio
東京 高円寺に拠点を置くスペイン人イラストレーター。
ノスタルジック、大胆な色使い、黒のインクストロークで世界観を創り上げる彼のイラストは国内外で注目される。
マドリードで数年ファッションの仕事をした後、美とインスピレーションを求めて日本に移り住むことをきっかけにイラストレーターとしてのキャリアをスタート。
Tマガジン、コンデナストトラベラー、アイコンマガジン 、エルジャポン、エル・パイス、ラ・バングアルディアなど日本やスペインの雑誌や新聞へのイラスト提供だけなく、シューズブランドやポンペイやアディダス、IKEAとのプロジェクトも手掛けた。また、プロダクトデザイン、ブランディング、アートグッズなどの製作も行うパーソナルプロジェクト INIGO.STUDIOでは、ZARAでカプセルコレクションを発売。