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MUVEIL MAGAZINE
vol.57
2022 AUTUMN WINTER
COLLECTION STORY by Michiko Nakayama
ユーモアと自由を抱いて

名家出身の母娘を描いた『GREY GARDENS』。
高級別荘地であるアメリカ・イーストハンプトンに佇む荒れ果てたお屋敷に住む彼女たちに密着したドキュメンタリー映画です。ニューヨークを離れ、荒れつづける別荘でつづく長い隠遁生活。奇抜なファッションとともに感情の赴くまま過ごす彼女たちの姿は、現在もなお文化・芸術面において影響を与えつづけています。

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そんな2人のファッション哲学と彼女たちを取り囲む世界を落とし込んだ2022 AUTUMN WINTER COLLECTION。
テーマを選んだ理由からコレクションに込めた想いを
デザイナー・中山に伺います。

DESIGNER'S INTERVIEW


『GREY GARDENS』を知ったきっかけを教えてください。


ブランドがはじまるかはじまらないかのときに、行きつけの書店で知りました。『GREY GARDENS』の書籍があって惹かれて見ていたところ、店員さんが彼女たちのことやドキュメンタリー映画があることを教えてくださって。結果、DVDと書籍もう1冊取り寄せていただきました。






『GREY GARDENS』を見たときの印象はどうでしたか。


自己表現がとにかく素晴らしかったです。娘さんであるリトル・イディーのインパクトは一度見たら忘れられません。リトル・イディーのスタイリングは、自分を表現する手段としてしっかり着こなしているのが印象的でした。なければパパっと見繕う精神が、見ていて清々しいです。 お母さまのビッグ・イディーは、足腰が弱くなっているのか寝たきりにちかい状態でも狭いベッドから存在感たっぷりで魅力的な2人でした。





コレクションのテーマに選んだ理由を教えてください。


生きていく上で知らず知らずのうちに、「こうしなければならない。」という呪縛の中へ自分を留めてしまっていることを気づかされる作品です。

主役のリトル・イディーも数多の苦難を抱えていますが、その中でも自分らしく主張していきます。彼女がアメリカ国旗を持って歌い踊る印象的なシーンがあるのですが、心の底より人生を楽しんでいるような魅力をまとっていて。同じ境遇でも恥ずかしさを捨て去って、旗を振って踊る人生の方が何倍も楽しそうです(笑)

マインドは常に自由に、みなさまとともに人生を謳歌したい願いを込めてコレクションを制作しました。





映画に出てくるスタイリングで印象的なスタイリングはありますか。


DVDのジャケットにもなっているファーコートのスタイリングが印象的です。お袖の部分が破れてしまっていても着用されていて、心から好きなんだなと見ているだけで伝わってきます。他にも印象的だったのは、ニットをミニスカートのように巻いて安全ピンでとめているスタイル。なければ巻いて留めてしまう感覚的な個性がすごく刺激的でエネルギーを与えてくれます。





今回のおすすめのスタイリングなどはありますか。


コレクションを制作する際、リトル・イディーに学んでわたしもニットを切ってリボンで結んだりして自由にお洋服をつくりました。みなさまの感覚で、楽しんでほしいです。


ショートニット&ブラウス


『GREY GARDENS』は女性蔑視や多様性に対する不寛容な社会が生みだした悲劇とした側面も映し出される作品です。
ありのままの彼女たちの姿を淡々と映し出しているので、荒れ果てた空間に目を覆いたくなったり、気持ちがぐらついてしまうようなシーンも多くあります。それでも常識を取っ払って鑑賞すると、社会的規範を拒み自身の身体の音に耳を傾けて生きていく母娘に勇気づけられます。

「生きるのよ。前にすすむの。」
固定概念に囚われずファッションも人生もユーモアと自由を抱いて突き進む。そんなエネルギーが湧き立つことを願っております。

MUVEIL MAGAZINE vol.57はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。

2022.8