ECLAVIA


MUVEIL MAGAZINE
vol.7
FATHER’S DAY SPECIAL

MUVEIL Online Shopでは、父の日にもぴったりなメンズギフトのセットの発売いたします。内容は、MUVEIL初となるメンズラインの靴下・ボクサーパンツと、オリジナルイラストのトートバッグのセット。オンオフ限らずシンプルなスタイルのポイントになります。ギフトラッピング包装されておりますので、そのまま配送でお贈りすることも可能です。


men’s gift set ¥9,000+tax

トートバッグには、男性に贈りたいプレゼントとしてオーソドックスなお酒のイラストをプリントしました。
MUVEIL MAGAZINE vol.7では、ギフトセットの発売を記念してお酒にまつわる内容となっております。メンズギフトのトートバッグはお酒を入れるのにぴったりな丈夫な作りですので、大切な方に贈りたいお酒を探す手助けとなれば嬉しいです。



今回のインタビューご協力いただいたのは、東京農業大学大学院にて味覚の研究をし、現在は日本酒・ジンの商品開発にも携わる山口 歩夢さん。ご自身のお酒コレクションを並べたテイスティングバーを開催している「Mitosaya 薬草園蒸留所」のオープンデーに、MUVEILデザイナー・中山路子が訪れたところからインタビューが実現しました。
お酒の造詣が深い彼が携わるエシカルなプロジェクトやご本人の研究のことから、お酒を選ぶ際のポイントまで伺います。






大学院で味覚の研究をされていたとのことですが、どういった内容でしょうか?



食品中で清酒(日本酒)にのみ多く含まれるある物質の「苦味」 について研究していました。どのような仕組みで人に苦味を感じさせているかという内容です。この物質は柔らかい苦味があり、いわゆる日本酒の「深み」のような感覚に密接に関わるこ とが示唆されています。大学院での研究の期間は、まさに探求と試行の連続で、非常に楽しかったです、






山口さんが蒸留責任者を務める酒粕リユース蒸溜所に関して教えてください。どういった経緯で立ち上げられたのでしょうか?



きっかけは、とある酒販店のオーナーからオファー を受け、始まったプロジェクトです。通常、日本酒造りの工程において、使用される酒造好適米(以下、便宜的に「酒米」と記し ます)全体量の 65%-70%が「日本酒」として出荷される一方、残りの30-35%が「酒粕」となります。
年間で生産される酒米は、約 9.6 万トンにものぼることを考えると、酒造りの過程で産ま れる酒粕は計算上約 2 万トン相当となります。これらは伝統的に粕漬けや粕汁など食品や飼料に利用されてきました。また昨今ではチョ コレートや化粧品など新しい利用法も出てきていますが、前者の需要低迷と共に産業廃棄 物として処理される酒粕も多いのが現状です。このような物理的、経済的なロスを無くし、搾りの段階で別れた兄貴分である日本酒に負けないくらいの付加価値を持つ、誇れるプロダクトにしたい。そういう思いで生まれたプロジェクトが、「Ethical Spirits(エシカル・スピリッツ)」です。







「エシカル・スピリッツ」から第一弾としてLAST GIN(ラスト・ジン)が今年発売になりましたが、蒸留の際にこだわったポイントを教えていただけると嬉しいです



酒粕を蒸留して生まれた焼酎は、日本酒由来の香りが濃縮され、非常に香り高いです。この香りを損なわずに、どのように香りを重ねていくかを、経験と化学的知見を組み合わせて製造しました。製法のこだわりは、「減圧蒸留」と「常圧蒸留」を組み合わせたことです。常圧蒸留は、いわゆる一般的な蒸留方法で、釜に熱をかけ、温度を上げることで、沸点の低 いアルコールや香り成分を水と分離します。アルコールの沸点は約 78°Cで、蒸留釜の温度は 80~90°C前後になります。



一方、減圧蒸留は、釜の内部を真空に近い状態にすることにより、沸点を低くして蒸留する方法です。気圧の低い高山などで、水が100°C以下で沸騰するのと同じ原理です。これにより、50~60°C程度で沸騰し、蒸留が行えます。最大の特徴は、熱が強くかからないので、物質が壊れず、素材本来の香りが取り出せること です。
しかし、減圧蒸留だけでは香りが繊細過ぎて、飲みごたえがありません。そのため、LAST GIN では、常圧蒸留と減圧蒸留を素材によって分け、ブレンドして仕上 げました。



LAST GIN


今後の活動を教えてください。




現在、ANTCICADA という「地球を味わうレストラン」を開業しようとしています。メインテーマは「昆虫食」なのですが、ゲテモノとして扱うのではなく、素材として、食材 として向き合い、最高においしいものを創り出していきます。また、前述のエシカル・スピリッツは、今年中に都内で蒸留所を建設する予定です。



山口さんに伺ったオススメのお酒をページにまとめました。
父の日に送りたいお酒はこちら
オススメのジンはこちら
お酒を選ぶときのポイントはこちら

詳しくありがとうございました!
研究で得た経験と科学的知見を糧に、人や社会、環境に配慮する活動をつづける山口さん。まさしく”エシカル・スピリッツ”な彼に、デザイナー・中山自身も感銘を受けました。インタビューでご紹介したLAST GINは、Ethical Spiritsのオンラインショップからご購入いただけます。
https://shop.ethicalspirits.jp




山口歩夢

1995 年生まれ、24 歳 千葉県出身、幼い頃から食に関して興味があり、2014年に東京農業大学 醸造科学科に入 学。 当時、日本で唯一の「醸造」という名を冠した学科であった醸造科学科は日本全国の日本酒、 醤油、味噌蔵の子息が多数在籍。 食品科学や微生物学、そして実際に日本酒や焼酎などを製造する学生実験、蔵元へのインタ ーンなどを経て知見を深める。

現在フランス・パリに蔵を立てて SAKE を醸造している WAKAZE では、新ジャンルの「ボ タニカル SAKE」である FONIA シリーズの商品開発に携わった。 同時に、在学中に蒸留酒に強く興味を持ち、世界中の様々な蒸留酒の収集、様々な蒸留所の 見学、イベントなどの参加を行う。 特に、日本初のフルーツブランデー蒸留所である「Mitosaya 薬草園蒸留所」で、果物の収 穫や原料処理、蒸留を手伝い、技術を勉強。同時に、Mitosaya のオープンデーでは自信のコレクションである世界の蒸留酒のテイスティングバ ーを開催している。

2018 年、同大学の大学院に進学。主に「味覚」に関しての研究を行う。 また、在学中に知り合った「地球少年」篠原祐太らと共に、昆虫食を主軸にしたベンチャー、 Join Earth (ブランド名:ANTCICADA)を設立。商品開発最高責任者として働く。 さらに、2020 年、酒蔵にて廃棄物として処理されてしまう酒粕をリユースし、ジンとして 製品化するエシカル・スピリッツの蒸留責任者に赴任

2020.6