ECLAVIA


MUVEIL MAGAZINE
vol.9
2020 PRE FALL
In the Mood for Love

今月のMUVEIL MAGAZINEは、2020 PREFALL COLLECTIONを特集します。


前号は、コレクションの立ち上げを記念してコラボレーションしてくださったQ-TA氏へのインタビューでした。vol.9 ではコレクションの着想源となった『花様年華』について、MUVEILの目から見た見どころを交えてご紹介します。


花様年華-In the Mood for Love-

『花様年華』は2000年に公開された映画。『ブエノスアイレス』でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞し、アジアを代表する映画監督ウォン・カーウァイ氏の作品です。



大人の男女がほろ苦く交錯する想いを、カーウァイ氏が仕掛ける妖艶な映像美をもって描きだしたラブストーリー。
同じアパートに引っ越してきたチャン夫人とチャウは、お互いのパートナーの不倫が発覚したことから、少しずつ距離を縮めていきます。惹かれ合いながらも禁断の関係であるが故に内へ内へと募る想い。互いを愛する気持ちが、彷徨する様が切なく美しい映画です。

満開の花のように輝く瞬間

「花様年華」とは“人生で最も美しい瞬間を意味するそうです。酸いも甘いも嚙み分けてきた知的で美しいチャン夫人は、今が盛りと咲き誇る花のよう。そんなヒロインを演じるのはマギー・チャン。


とりわけ印象的なのが、チャン夫人の気品を際立たせる20着以上ものチャイナ・ドレスです。映画の舞台は1960年代の香港。胸元の打ち合わせがミニマルでありながら大胆かつ鮮やかなプリントが目を惹くチャイナ・ドレスの数々は、洋裁の影響を強く感じることができます。イギリス統治下の香港で2つの文化が融合し生み出された魅惑的な衣服とスタイリングは必見です。



劇中に登場するチャイナ・ドレスは全て特注品だそう。首元が長いのがポイントでもありますが、監督のこだわりが強くてCGでも襟の長さを足したとか。ハイネックにくびれたウエスト、ジャストサイズのチャイナドレスに、10センチほどあるかと思われるハイヒールは息をのむほどかっこいいです。



ファイヤーキング

ファッションだけでなく、インテリアもこの映画の時代背景を盛り上げるアイテムが満載です。
映画の食事シーンに登場する食器はファイヤー・キングが使用されています。ファイヤー・キングは、アメリカのホッキング・グラス社という100年以上歴史をもつガラスメーカーが所有するブランドです。洋風でありながら、エキゾチックな佇まいのJane Rayシリーズは私たちのライフスタイルにも溶け込む愛らしさを兼ね備えています。日本でも取り扱っている店舗がいくつかあるようですので、ぜひチェックしてみてください。

梅雨明けが待ち遠しい日々が続いております。しっとりとした気分な静かな夜、芳醇なお酒とともに秋冬に想いを馳せるような映画を観てみは如何でしょうか。


今月号はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。